下川研究室

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Notes on participating in the ICAE@New Delhi
2. 研究小話|Research 2024.10.07日

8月2日から7日まで、第32回ICAE(国際農業経済学会 世界大会)ニューデリー大会に参加しました。急激な円安のせいで学会参加費が11万円以上(過去最高値)になり、大会参加費だけなのに大学での発注手続きが必要で焦りました。初めてのインドでしたが、良くも悪くも想定外なことが多くて、とてもインドらしい大会でした。

まずはじめに驚いたのは、初日の基調講演の講師がナレンドラ・モディ首相だったことです。セキュリティーのためギリギリまで発表されず、講演2日前に急にメールで知らされて驚きました。これまでの大会と異なり、大会中の身分確認などのメールが事前に何回も届いていて、インドってそんなに治安が悪いのか?と不安だったのですが、モディ首相が来ると聞いて納得がいきました。

今大会の登録者数は942名で、前回のバーチャル大会とほぼ同数です。開催地がアジアで、ビザも面倒だった割には、よく集まったと思います。登録者数は、欧米で開催するとより多くなり(1000名以上)、南米やアフリカで開催するとより少なくなる(600-800名)傾向があります。次回はルワンダ共和国で開催するらしく、参加するかどうか迷っています。

あと、毎回楽しみにしているカンファレンス・ツアーですが、今回は呆れるほどひどかったです。私は農業試験場などを視察するツアーに参加したのですが、とにかく段取りが悪かったです。バスの乗り場や番号などの案内はなく、学会会場から歩いて3分ほどのところに停まっている20台近くのバスの中から自分で探し出さなくてはなりませんでした。案の定、多くの参加者は迷ってしまい、出発まで45分ほど車内で待たされました。やっと全員集りバスが動きだしたと思ったら、学会会場から歩いて2分ほどの場所に停車して、ランチボックスが配布され、せまい車内でランチになりました。ランチの内容もイマイチで、せめて学会会場で食べさせてほしかったです。視察自体は普通に楽しめたものの、今回はハズレのツアーを選んでしまったと後悔しました。ところが、他の世界遺産などを巡るツアーでは、世界遺産では時間がないと急かされたにもかかわらず、ツアーの最後に高級土産店に1時間近く閉じ込められたらしいです。カンファレンス・ツアーとしては前代未聞で、私の参加したツアーのほうがまだマシだったという惨憺たる状況でした。

一方、カンファレンス・ディナーの直前に催されたダンスショーは、最高に素晴らしかったです。初めは、ツアーがあまりにひどかったこともあり、参加者のショーへの期待値も低く、なかなか人が集まらないような状況でした。そのおかげで、黒崎先生と櫻井先生と私は、前から3列目のど真ん中という最高の席でショーを見ることができました。全く期待していなかったのですが、ショーが始まってみると、そのレベルの高さに感心しました。最後は、満席の会場でスタンディングオベーションでした。

学会の内容としては、学会長がMatin Qaimで、IFPRI所長がJohan Swinnenということもあり、彼らの関心分野であるFood Value Chain押しがすごかったです。確かに将来性のある分野ですが、あまりデータがないのが難しいところです。ただ、日本には探せばデータがありそうな気もするので、結構ねらい目な気がしています。

最後に、対面での開催は6年ぶりということもあり、参加者の顔ぶれがずいぶんと変わったなぁと感じています。そんな中、日本から多くの若手研究者がICAEに初参加しており、懇親会では重鎮、中堅、若手と世代を超えていろいろな話ができて楽しかったです。若手はほぼ全員体調を崩して気の毒でしたが、これに懲りずにこれからも国際学会に参加し続けてください。