下川研究室

研究メモ・お知らせ

アジア農業経済学会@東京の感想
2. 研究小話2023年04月18日

遅ればせながら、アジア農業経済学会(ASAE)の感想です。

2023年3月18日から20日にかけて、2023年ASAE東京大会が開催されました。

本格的に準備を開始した1年前は、まだ新型コロナの状況も不透明で、大会参加費は例年の3倍以上高くなるし、基調講演等は英語だし、どれだけ人が集まるのか?と、かなり不安な中でのスタートでした。財政上、最低でも300名の参加登録者が必要だったので、難易度高いなぁ・・・と。

ふたを開けてみると、参加登録者数600名弱、報告論文数250本弱と、かなり立派な国際大会になりました。実行副委員長として約1年にわたり準備に関わってきたので、これまでの苦労が報われた気がします。実行委員長の加治佐さんをはじめ、実行委員の先生方おつかれさまでした。

また、カンファレンスディナーの冒頭にASAE会長として加治佐さんが話した内容ですが、おそらくあまり聞いてもらえてなかったと思うので、ここでも触れておきます。今回、ASAE大会を東京で開催できたのは不破さんのご尽力によるところが大きく、不破さんの遺志を加治佐さんが引き継いだ形になります。そういう意味でも、感慨深い大会となりました。

ここからは、今後の参考になりそうな小話になります。まず、基調講演などでZoomを利用した報告があったのですが、オーディオトラブルが頻発しました。あれは同時通訳とオンライン通話を組み合わせたためだったと聞いています。片方だけだと特に難しくないようなのですが、大学の既存システムで、これら両方を同時にやるとなると色々と大変だったらしく、結局あまりうまくいきませんでした。大学の設備が古い場合には要注意です。

次に、参加登録者数が多いのはうれしかったのですが、だからといって財政的に楽になったわけではありません。たとえば、今回利用したConfitなどのオンラインサービスは利用者数によって料金が決まり、(たしか)500名を超えると大幅に値上がりしました。そのため、登録者数が増えて収入が増えても、それと同じかそれ以上にコストが増えて、財政的にはむしろ苦しくなったくらいでした。結局のところ、日本農経学会をはじめ、さまざまな方面からの多大な援助や寄付があってこそ開催できた学会でした。ちなみに、財政的に厳しかったので、運営委員の方々も参加費全額支払っています。研究費を使えるので問題ないのですが、運営側の業者や学生には給与や弁当が出て、同じ運営側の教員は参加費を支払って弁当もなしという状況は、今後改善の余地ありだなと個人的には感じました。

あと盲点だったのは、学会開催中は自宅からの参加がきついという点でした。会場が青山学院大学だったので、学会準備中は関東圏の方が便利なのですが、学会開催中はむしろ関東圏外からの参加でホテル泊の人のほうが会場に近くなります。もっとこの点を考慮に入れて、当日の役割分担をすればよかったと反省しています。これまでの国際学会では、いつもホテル泊だったので毎晩のように会食しても問題なかったのですが、自宅から片道1時間以上かかるとなると結構きつかったです。ただ、せっかくの機会なので懐かしい面々と連日夜まで会食して、次の日はまた朝から運営側として学会に参加したのですが、立場上昼寝もできず結構きつかったです。

だらだらと書いてしまいましたが、最後に最も重要なポイントです。

今回のASAE東京大会を機に、これまで国際大会に参加したことのなかった人たち(特に若手)にも、国際大会の雰囲気や面白味が少しでも伝わって、今後もっと多くの人が国際大会に参加するようになってほしいと切に願っています。